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リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、持ち家などの居住用資産を担保として、生活資金の融資を受けるもので、「長期生活支援資金」または「逆抵当融資」ともいいます。
住宅を持つために最初に大きな借り入れをして、毎月返して行き、返済完了すると完全な所有権を手にすることができるのが、通常の住宅ローンに対し、不動産を既に所有している人が、それを担保に少しずつ資金を借りて、最終的に返済が終わると所有権がなくなるという、住宅ローンと逆方向に進むことから「リバース(逆・反対)・モーゲージ」と呼ばれるわけです。
自宅を担保に自治体や金融機関から融資を受け、死亡後に担保物件を処分して借入金を一括返済しますから、一生自分の家に住み続けられるのが特徴で、持ち家がありながら、十分な現金収入がない高齢者から注目されています。
しかし、リバースモーゲージといえば、自治体が福祉政策的に行うタイプか、信託銀行などの富裕層向けか、そのどちらかが一般的で日本ではあまり普及いてはいませんでした。
しかし、ここ数年民間金融機関やハウスメーカーが新しいタイプのリバースモーゲージを提供しはじめました。
自治体によるリバースモーゲージは、2002年からは国が音頭を取って「長期生活支援資金貸付制度」をスタートし全国に広がっていて、当初は、住民税の非課税になるレベルの低所得世帯が対象でしたが、今年度から生活保護世帯を対象にした新タイプも登場しました。
いずれにしても、持ち家でありながら、日々の生活費が乏しい低所得者向けです。
民間金融機関やハウスメーカーによる新しいタイプが登場し始めたのは2〜3年前からで、民間タイプも、ハウスメーカー系と銀行系という2つのパターンに分かれます。
ハウスメーカーリバースモーゲージ
ハウスメーカー系は、ハウスメーカーが自社の商品オーナー向けに実施しているもの。2004年からスタートした旭化成ホームズやトヨタホームが代表的です。
トヨタホームズの場合、公的タイプと同様に資金の使用使途は生活資金が原則となっています。
旭化成ホームズの「REMOVE」は内容がユニークで、自宅を貸して住み替えるための資金に使えます。
住み替え先は、持ち家でも賃貸でも、高齢者施設でもかまいませんし、まとまった資金をリバースモーゲージで借りて、購入費や賃貸入居の一時金に充当できるます。
また、同社のグループ企業が自宅を一括借り上げして賃貸に回し、その賃料から経費や利子を控除した金額を定期的に受け取ることもできますし、資金の使用使途は、旅行や趣味など、自由になっています。
昨年から積水ハウスでも、りそな銀行と提携して取り扱いを始め、同社のグループ企業が請け負う建て替えやリフォームに対する融資が基本となっています。
通常の住宅ローンと同じように元利均等で毎月返済をすることもできますし、終身借り入れで亡くなった時に一括返済をするリバースモーゲージ型の返済もできるという仕組み。建て替え後に必要な資金を随時借り入れることも可能です。
このように多彩な内容になっていますが、ハウスメーカー系の場合は、あくまでも顧客サービスの一環という意味合いがあり、利用者も限られているといえます。
銀行系リバースモーゲージ
銀行系は、建物のメーカーを問わず、広く利用できるのがメリットで、資金の使途も自由です。特に中央三井信託銀行と東京スター銀行が知られています。
中央三井信託銀行のリバースモーゲージは、当初は、対象となる不動産の担保評価額が1億円以上と高額でしたが、徐々にハードルを下げ、現在は4000万円以上と利用しやすいレベルになりました。
資金の借り入れパターンも、カードローンを利用した随時借り入れ、年金型の定期借り入れ、一時増額など、バリエーションがあります(年齢制限あり)。
一方、東京スター銀行の「充実人生」は、担保評価額の制限がなく、評価額に応じた融資制限が設定されています。
また、中央三井信託銀行では元金と利子の両方の返済が据え置かれ、亡くなった時に元利金を一括返済する方式ですが、「充実人生」は元金返済のみが据え置かれ、利子は毎月返済する方式。
ただ、同行の「預金連動型」と組み合わせることで、預金の利息と借入金の利子を相殺して負担を減らすこともできます。
今までの住宅ローンですと、持ち家なのに生活を切りつめて豊かさを実感できないという、どこか矛盾を感じる面がありますが、リバースモーゲージのメリットはゆとりある暮らしを実現出来ることでしょう。